英語を話せるようになりたい、外国人と普通に話す姿に憧れる!という人も多いです。しかし、相手が何を言っているのか分からなければ、会話はもちろん成立しません。自分が思っていることを伝えられるということも大切ですが、それ以上にまずは相手が何を言っているのか聞き取れることが必須となります。単語の意味は分かるけど会話のスピードに理解が追い付かないという人も多いでしょう。今回は英語が聞き取れるようになる、おすすめのリスニングアプリを紹介します。
英語が聞き取れないのはなぜ?
文法や語彙を学んだからといって、すぐに英語が聞き取れるようになるわけではありません。英語が聞き取れない人には、ある共通の特徴があります。それは「英語の耳になっていない」ということです。
これは英語のネイティブスピーカーが話すスピードや英語特有のイントネーションに慣れておらず、英語の音を聞き分けられない状態を指します。
日本語は音の高低がフラットであるため、英語を聞くと強弱が付きすぎて聞きにくいと感じる人も多いです。弱く発音する部分は曖昧に聞こえるため、何を言っているのか途中で見失ってしまうことも少なくありません。
おすすめの無料リスニングアプリ
以前まで英語を聴くものといえばCDが一般的でしたが、最近ではアプリで気軽にリスニング力を鍛えられるものが多くあります。無料とは思えない程クオリティーの高いアプリも開発されており、無料アプリを利用しただけでリスニングできるようになったという人も少なくありません。
ざっくり英語ニュース!Studynow
このアプリは、その名の通りざっくりと英語のニュースを学べるようになっています。時事ネタは英会話の話題にもしやすく、毎日ニュースが変わるので飽きることはありません。その一方で初心者には文章が長すぎたり用語が難しかったりして学習が続かないことも多いです。
Studynowでは好きな記事を選び、1パラグラフごとに英文を見ることが可能です。文章が短く区切られているので量が多すぎず、集中力が長く続かなくても問題ありません。
アプリ内にある再生ボタンを押すと英文を読みあげてくれるので、リスニング初心者でも簡単に英語を聞きながら目で文章を追うことができます。
さらに重要単語をピックアップしてくれるので、語彙力を伸ばすのにもおすすめです。文章の中でどのように使われているのかを知ることができ、普通に単語を覚えるよりも知識が定着しやすいようになっています。
ざっくり英語ニュース!Studynowには有料版もあり、月額360円で利用できます。無料版との違いは、リスニングが聞き放題になることや単語帳機能が追加されること、英文解説プレミアム版が利用できることなどです。
- ニュースが日本語・英語で学べる
- パラグラフごとの英訳機能がついている
- 無料版は「魔法の鍵」を入手する必要がある
VOA
VOAはVoice of Americaというアメリカの国営放送であり、ネイティブスピーカー向けのニュースはもちろんのこと、非ネイティブに向けて分かりやすい英語でニュースを伝えています。
CNNなどのニュースを聞き取れることが理想的ですが、実際に聞いてみると早すぎて何を言っているのか分からないという人が大半です。全く聞き取れないことで自信を無くし、英語学習を諦めてしまう人も少なくありません。
いつか英語のニュースも簡単に聞き取れるようになりたいという人におすすめなのが、VOAです。普通のニュースで流れる内容を英語学習者向けに1,500語程度の短い英語にまとめ、ゆっくりしたスピードで流してくれます。
アプリ内ではラジオ・動画・テキストの3種類でニュースを視聴することができ、気分に合わせて聴き方を変えられるのも魅力的です。アプリ内で音声をダウンロードしておけばインターネットがない環境でもリスニングの練習が可能です。
- 音声をダウンロードできる
- 簡潔で分かりやすい英語のニュースが聴ける
- 上級者には簡単すぎる
NHK WORLD TV
リスニング力中級以上の方におすすめしたいのが、「NHK WORLD TV」です。このアプリはNHKで放送されているニュースの英語版です。
テレビで視聴する場合は契約や費用が発生しますが、アプリであればダウンロードも視聴も完全無料でできます。アプリ内全ての動画がニュースというわけではなく、ドキュメンタリーや日本の文化を紹介するものもあります。
NHK WORLD TVのメリットは、動画で扱われる内容はほとんどが日本に関するものなので、英語についていけなくても、分かる単語からどのような内容か想像できるという点です。日本のことを外国人に伝える表現も同時に学ぶことができます。
ニュースなのでもちろん話している人はアナウンサーの方です。英語版でもはっきりと発音してくれ、教科書にあるような表現も多く使われているので英語に耳を慣らすのにぴったりの教材と言えます。
- はっきりした発音で聞きやすい
- 日本のことを英語で学べる
- 英語学習に特化したアプリではない
English Upgrader
Englsih UpgraderはTOEIC公式アプリであり、普段のリスニング力強化やTOEICの点数を伸ばすのにおすすめのアプリです。TOEIC対策にも使われるアプリなのでリーディングの学習も可能ですが、リスニングの内容がとても充実しています。
アプリ内のEpisodesをタップすると、ダウンロード可能な音声が60個以上表示されます。シチュエーションに合わせてネイティブが会話しており、実際に使うことが多い表現が含まれています。
ダウンロードが終われば「リスニングモード」と「クイズモード」を選択します。リスニングモードでは音を聴きながら英語や日本語のスクリプトや重要単語が見られます。クイズモードでは会話を聞いて3択クイズに答えます。
このアプリにはバックグラウンド再生機能があるため、スマホを閉じた状態でも英語を聞くことが可能です。携帯で他のことをしていたり手が離せなかったりする時でも英語を聞きながせるのは嬉しいポイントです。
- バックグラウンド再生機能がある
- クイズで理解度を確かめられる
- 学習したいエピソードはダウンロードの必要あり
TED
TEDとは世界中から著名人を集めてカンファレンスを行う非営利団体であり、アプリでその様子を視聴することができます。これまでにビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズなど世界的に有名な人も参加してきました。
カンファレンスの中ではプレゼン形式で10分~20分程度、自身の考えや専門分野の知識を話します。普段目にする機会のない著名人のプレゼンが聞けると世界中にファンが多く、様々なジャンルの知識を深められます。
ネイティブスピーカーだけでなく、英語を第2言語として学んだ人のプレゼンも聞けるので「こんなに英語を話せるようになりたい!」「私でも英語ができるようになるかも!」とモチベーションを高めてくれます。
TED内では動画の再生スピードを変えられる機能があり、最初はゆっくりのスピードで聞いて慣れたら速めることも可能です。全く理解できない場合には日本語字幕を付けることもできます。
ジャンルが幅広いので興味がある分野を視聴でき、理解しやすいというメリットがあります。教科書的な内容ではなく生きた英語を聞けるので、「このような表現もできるのか!」と新たな発見があることでしょう。
これだけの内容を無料で視聴できるというのは他にはないサービスであり、リスニング力も伸ばせるという点では一石二鳥です。
- 様々なジャンルのプレゼンが視聴できる
- 再生スピードを変えられる
- 字幕を付けると分かった気になってしまう
Red Kiwi
Red Kiwiとは、Youtube内にある動画の中から英語学習に向いているものを集め、それらを元にリスニング力を強化することを目的に開発されたアプリです。
動画の内容は様々で、ドキュメンタリーのようなものもあればアニメや映画で楽しく学べるものもあります。自分で好きなジャンルを選ぶことができるので、勉強することへのハードルが下がり、飽きずに学習できます。
このアプリでは動画全体を使って学習するのではなく、ワンシーンを切り取ってディクテーションを行うという方式で学習を進めていきます。全文もしくは文の一部の穴埋めとなっているため、どの単語が聞き取れなかったのかを客観的に知ることができます。
聞き取れていない単語は発音できない単語であるため、聞き取り能力を高めると発音できる単語も増えていきます。日本語と英語の字幕を同時表示できるため、初心者にも挑戦しやすいアプリです。
Red Kiwiの無料版は1日に見られる動画の数が制限されています。プレミアムに加入することで無制限で視聴できるほか、翻訳家の翻訳やネイティブによるサポートが受けられるようになります。
- 聞き取れない単語を把握しやすい
- 字幕の日英表示ができる
- 無料版は広告がある
おすすめの有料リスニングアプリ
無料アプリでも十分リスニング力を伸ばすことはできますが、有料アプリの方が内容は充実しています。広告が表示されなかったり1日の利用制限がなかったりと快適にアプリが使えるため、課金する価値はあるようです。また、オンライン英会話などで英語を学ぶのに比べると安く利用できることも人気の理由となっています。
英語聞き取り王国
いかにも勉強しているという感じは嫌だという人におすすめなのが、「英語聞き取り王国」です。このアプリはゲーム形式となっているので、ゲームをしている感覚でリスニング力を伸ばすことができる点が魅力です。
ターゲット層はTOEIC600点~800点となっているため、ある程度英語力を身につけて伸び悩んでいる人やリスニングに自信がない中級程度の人におすすめのアプリです。
アプリ内には「王都周辺」と「海岸地方」があり、王都周辺が初心者向け、海岸地方が中級以上のレベルです。シチュエーション別の会話を聞いて質問に答え、正解すると段々街が出来上がっていきます。間違えた問題には何度でも挑戦できるので確実に知識を付けることができます。
机に向かって行う勉強は集中力が続かなくて好きではないという人も、英語聞き取り王国は制限時間があり早ければ早いほど街の完成度も上がるので短時間にぐっと集中できます。ゲームを進めている内に英語が聞き取れるようになっていることでしょう。
英語聞き取り王国は120円で、有料アプリとしては気軽に買える価格設定なのも人気の秘密です。
- 120円と手に出しやすい価格
- ゲーム感覚でリスニング力をつけられる
- 上級者には物足りない
えいご上手
日本では小中学校から英語教育がスタートし、高校まで授業で学ぶのでリーディングはある程度できるという人が多いです。その一方でリスニングには苦手意識を持っている人が少なくありません。
そんな日本人英語学習者向けに元塾講師たちによって開発されたアプリが「えいご上手」です。テキストをあまり見ず、音に集中する点がこのアプリの特徴です。
ネイティブスピーカーの話す速度に慣れるため、最初はナチュラルスピードから始めて1.5倍速や2倍速の早い英語を聞きます。その後でナチュラルスピードに戻すとゆっくり感じられて聞き取りやすくなるという仕組みです。
えいご上手は様々なバージョンがあり、小さな子供向けの「えいご上手Kids さわってえいご」や中級者向けの「えいご上手中級」、海外旅行に必要な語彙が身につく「えいご上手海外旅行編」などがあります。
なお、えいご上手は360円となっています。
- ネイティブのスピードに慣れやすい
- 英語の音に慣れることを重視している
- レベルによってアプリが異なる
英語聴覚セラピー 奇跡の音
英語を聞き取れるようになるには英語の周波数に耳を慣らすことが必要という考えの下で生まれたのが、「英語聴覚セラピー 奇跡の音」です。
日本語と英語では発する周波数が異なり、普段は日本語の周波数のみを拾っているため英語の周波数が拾えなくなると考えられています。そこで、日ごろから英語の周波数に慣れることで英語も聞き取れるようになるというわけです。
英語では2,000~8,000ヘルツの周波数が使われることが多いため、高音の周波数となる部分を強調したネイティブの音声に耳を慣らすことを目的としています。必要なテキストもなく、単語を覚える必要もないので聞き流すにはぴったりのアプリと言えます。
書籍1冊1,800円で販売されています。アプリは有料ですが360円と書籍に比べて安く手に入れられます。TOEICのリスニング対策にも使える「8000ヘルツ英語聴覚セラピー 奇跡の音Ver.2」も販売されています。
- 聞き流しができる
- 上手く活用できれば英語の聞き取りが楽になる
- 語彙力を付けられるわけではない
英語リスニングを楽しむアプリ、リスタノ
「英語リスニングを楽しむアプリ、リスタノ」は英語学習のためのアプリではなく、オーディオブックやポッドキャストなどの音声コンテンツをより使いやすくするためのアプリです。
アプリ名にもあるように英語リスニングにとても役立ちます。選択した音声ファイルを、自由に速度を変えられたりリピートさせたりできるためです。速度調整は7段階あり、他のアプリを使用するよりもスムーズに自分の適したスピードに調整できます。
「ここだけ聞きにくい」「いつもここだけ分からずに飛ばしてしまう」という部分だけをピックアップしてリピートできます。リピートの部分はブックマークを付けられ、苦手な部分だけを集中的に復習することも可能です。
価格は120円で、英語学習以外にもプライベートで音楽を聴く際やポッドキャストを聴く際にも役立つこと間違いなしのでおすすめアプリです。
- リピート機能がある
- 速度調整が7段階
- 慣れるまで操作が難しい
リスニングアプリで英語耳を育てよう!
普段日本語を話している時には聞き慣れない音や周波数があるため、英語学習を進めてもリスニングでつまづいてしまう人は多くいます。しかし、英語を聞き取るリスニングは英語学習において避けて通れないものでもあります。
リスニングアプリには様々な種類があり、日常のちょっとした空き時間でリスニング力を強化することは可能です。数日で一気にリスニングができるようになるわけではありませんが、コツコツと続けることで必ず英語を聞き取れるようになります。
自分が使いやすいと感じるアプリ、毎日使っても飽きないアプリを見つけて英語学習に取り入れてみましょう。